山行報告 | |||
報告者 中島貞夫 | |||
山行日 | 平成22年8月28日〜30日 | 天候 | 晴れの曇り |
ルート | 駐車場ー白出小屋ー槍平小屋ー飛騨乗越ー槍ヶ岳山荘(泊 槍ヶ岳山荘ー大喰岳ー中岳ー南岳ー北穂高小屋(泊) 北穂高小屋ー涸沢小屋ーパノラマコースー徳沢ー明神ー上高地ー新穂高 |
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コース タイム |
8月28日 駐車場(5:30)-白出小屋(7:40)−槍平小屋(10:10)−飛騨乗越(14:30)−槍ガ岳山荘(15:00) 泊 8月29日 山荘発(7:00)−大喰岳(7:30)−中岳(8:00)−南岳(9:30〜10:00) −北穂高小屋(13:00) 泊 8月30日 北穂小屋(5:30発)―涸沢小屋(7:40〜8:40)−パノラマコース―徳沢(12:00〜12:25)−明神(13:10)−上高地(14:00)==新穂高==京田辺市 |
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参加者 | リーダー : 中島貞夫 参加者 : 北村正博 岸田歌寿美 (計 3名) | ||
山行報告 |
満車の新穂高の駐車場で少し仮眠し、夜明けと共にスタートして順調に進むが太陽が上がるにつれて汗が流れる。槍平小屋までは右俣谷に沿ってのゆるい登り路だが、ヒダ沢に入ると急坂になり足を上げるのもしんどくなる。目標の大槍や小屋がガスの中から時々見えるのが疲れを呼ぶ感じである。飛騨乗越について前方が晴れて信州側の山や、大槍に登っている登山者の行列が見えた。ゆっくりと休んでから賑わう槍ガ岳山荘へ入る。暗くなるまでガスに覆われていたので明日の天気を期待して寝る。深夜、月明かりの中に星が光り、大槍も黒くそびえていて蝶が岳に常念岳から大天井岳も白い雲海に浮かんでいるのが見えたので夜明けを楽しみにしてもう一眠りする。
29日(日)
山荘発7:00−大喰岳7:30−中岳8:00−南岳9:30〜10:00−−北穂高小屋13:00 泊
4時に起床して、朝食は行列で順番待ちなのでキャンセルして山荘の外で日の出を待つ。今回のメンバーは自分を除いて2人共写真に熱心で、シャッターチャンスを捉えるのにがんばっていた。
東の空が明るく鮮やかに彩られると水平線から太陽が顔をみせる、この瞬間のために皆が集中してカメラを向ける。登山の列ができないうちに大槍に登る、暗い中を登った人もあり頂上は混雑している。雲もなく360度の眺望で昨日の疲れも吹き飛んだ気持ちだった。
軽く行動食をとり大キレットに向けて出発する。大喰岳、中岳、南岳と縦走、ここから下山する人もあるが我々は目の下に見える大キレットから北穂高岳をめざしてヘルメットをかぶり気持ちを引き締める。20名ほどの中高年女性が多いパーティの先に行かせてもらい岩場を下る。
南岳の崖を約300m一気に下り後ろを見上げるとルートの厳しさが分かる。最低鞍部から長谷川ピーク、A沢ノコル、飛騨泣きなど100mほどの高低差があるキレットの縦走は鎖場や岩登りの技を必要とするところも数箇所あり、西穂の縦走と似ている。4時間と見ていた縦走が3時間で北穂高小屋に着いた、緊張して歩いたのが良かったと思う。小屋のテラスから見る槍ガ岳から南岳はよくポスターなどで見るが、大キレットを縦走して小屋のテラスでジョッキを片手に眺めると、また想いが深いものがある。休んでいるうちに雲が流れてきて北方の山が隠れてしまう。しかし北峰からは昨年歩いた奥穂やジャンダルム、前穂、遠くに富士山、南アルプス、八ヶ岳などの展望を楽しむことができた。
陽が落ち暗くなると周りのガスが消え全天の星のショーが現れ天の川や星座、流れ星を飽くことなく眺めたが、しばらくすると月光で星がかすんでしまい今夜のショーも終わった。
30日(月)
北穂小屋5:30発―涸沢小屋7:40〜8:40−パノラマコース―徳沢12:00〜12:25−明神13:10−上高地14:00==新穂高==京田辺市
今朝も良い天気で陽射しが強い。北穂の北峰で記念の写真を撮り涸沢に向かう。このコースでは涸沢岳から奥穂に縦走する人が多いらしく、下っているのは我々だけだ。急坂で岩場もあり鎖がついているところもある厳しい路だ。途中猿の群れが赤い身を食べに来ていた、3000mほどの高度がある場所まで上がってきているのにびっくりした。涸沢小屋でティータイムにし下山ルートを相談してパノラマコースを歩いてみることにした。尾根までは涸沢カールや槍ガ岳から奥穂高岳のパノラマが見られたが、下りになると強い陽射しを浴びての急坂は大変疲れた。徳沢でゆっくり休んで上高地までの歩きで終わりだ
ヒヤリ・ハット
パノラマコース下山中に浮石に乗って約3m転落した。小指ねんざ
一口感想 |
北村正博 |
8月28日前夜発30日まで、去年に引き続く第二弾として大キレット(大切戸)へ、中島さんをリーダーに岸田さんと3人でチャレンジしてまいりました。今年は、岩場の練習があまり出来ていなかったので不安もありましたが、中島さんを頼りに何とか踏破することが出来ました。最後は、涸沢からパノラマコースで上高地へ下山しましたが、私にとっては、すべてが初めてのコースで、感動しっ放しの3日間でした。 |
槍ヶ岳〜北穂高岳縦走を終えて |
岸田歌寿美 |
昨年の続きで槍ガ岳から奥穂高岳への縦走が残っているため、それを実行しようということで、打ち合わせをした所、時間に無理があるため、穂高から奥穂高岳はまた次回にする事に決まり、紅葉の時期にと今回は北穂高岳までの縦走に決まる。 前日の夜京田辺を新穂高に向かって出発、駐車場に着いて何とか車を止めて仮眠する。あまり寝られないまま、早朝準備を整えて目的地に向かう。白出沢の分岐、槍平小屋までは順調でしたが、飛騨沢の登りだんだん足が重くなってきて「鉄の玉でも付いているみたい」コーヒタイムを取って休憩することにした。飛騨乗越の鞍部が見え、展望が広角になり、気分が楽になってきた。槍が岳山荘近くまで来たら、仲間に祝福され、結婚式を挙げている光景に遭遇、映画の一齣を見ている様である。 夜が明けてから槍ガ岳に登り2日目が始まる。以前来た時もラッキーでしたが、今回も360度の大パノラマに満喫し、北穂高岳に向かう。途中、南岳で女性の団体と物々しい格好の男性とに出合い、同じコースを行くとのことで先に行かせていただく。大キレットを過ぎて後ろを振り向くと、凄いところを降りてきたのだと驚いた。飛騨泣きを登りきった所に小屋が見え、予定より早く北穂高小屋に着いた。23年間の穂高岳山荘生活記「陣内 憲明の雲の上の支配人」を読んで、是非断崖の上に建つテラスで美味しいビールが飲みたいとの願いが叶い乾杯する。北穂高岳に登り静寂のひと時を過し、夕食後、大きく光り輝く満天の星空を眺めながら床に就く。 |
パノラマコースから涸沢
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ナイフリッジと南岳を望む
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北穂高岳より槍ヶ岳を望む
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岸田さん 大キレットに挑む
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慎重にキレットを下る
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大キレットのナイフリッジを行く |
槍ヶ岳の天空
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